米国株マイクロン・テクノロジー(MU)の深夜トレード。本来なら冷静に決算や株価を分析すべき時間だ。しかし現在進行形で子育て中の私にとって、その時間はよだれを垂らしながら爆睡している時間に他ならない。
だが先日、事件は起きた。暗闇の中で突如、私の脇腹に鋭い衝撃が走る。我が子の放った、容赦のないかかと落としだ。
痛みで強制的に意識を引きずり出された私は、朦朧とする頭でスマホを手に取った。そこから始まったのは、マイクロン株(MU)の往復売買という、あまりに無残なトレードの記録である。

「なぜ、寝ぼけ眼でマイクロン(MU)を買ったのか?」
――記憶にない。脳が痛みを“投資チャンス”と誤認したのだろう。「なぜ、数時間後に売却しているのか?」
――不明だ。子供の寝相への怒りが、決済ボタンへと変換されたらしい。「そしてなぜ、朝方の尿意でまた買い直しているのか?」
――ホラーである。指先が私のコントロール下にあるとは思えない。
朝、取引履歴を見た時の絶望感。手数料だけを律儀に支払い、結局元の位置に戻っただけの資産。しかしさらに私を絶望させたのは、その対象であるマイクロンの決算と業績見通しの強さだ。
マイクロン(MU)の決算と2026年見通し
私が子供の蹴りと尿意に翻弄されている間、マイクロンはAI半導体需要の中心で存在感を高めていた。
- 好調な決算:売上高は前年比で大幅増。AI向けメモリ需要が業績を押し上げている。
- HBM(高帯域幅メモリ)の完売:2026年分はすでに予約で埋まり、供給不足が続く状況。
- 2026年の成長期待:AIサーバー投資、PC買い替え需要、次世代スマホ。追い風しかない。
世界の投資家が注目する米国半導体銘柄を、私は「かかと落としショック療法」で売買していた。合理性という単語は、今夜だけ辞書から削除されたらしい。
「私は投資家なのか?」
――いや、ただの動くサンドバッグだ。「この往復売買に意味はあったのか?」
――微塵もない。ただマイクロンの株主名簿に一瞬だけ名前を刻み、そして消えただけだ。
米国株投資で最も難しいのは“自分の制御”
マイクロンの株価や業績を分析することは難しくない。決算資料を読み、半導体市況を追えばいい。
だが本当に難しいのは、自分自身の衝動を制御することだ。
寝不足、痛み、怒り、尿意。すべてがトレード判断に侵入してくる。
2026年、マイクロンはさらなる成長を見せるかもしれない。しかし私に必要なのはチャート分析ではない。
子供の可動域から1メートル離れて寝ること。
米国株投資における最大のリスクは、市場ではない。私自身である。