独身の遺産、鯨に成る

独身時代の聖域を、徹底した低コストという名の「餌」で巨大な鯨へと育てる観測日記。

【第2部】合理的投資家が、最後に理性を裏切るまでの記録

低コスト教への反逆。QQQを選ばなかった理由

米国株集中。ここまでは、わりと早く決まった。だが次に出てきたのが、「じゃあ、どれに乗る?」という、逃げようのない問いだ。退屈で、面倒で、しかも間違えると後悔が長い。

世の中を見ると、多くの人はここで思考を止める。理由は単純。「安いから」。ナスダック100(QQQ)。低コスト。分かりやすい。皆が持っている。安心感もある。

だが、私は構成銘柄を眺めて、正直ゾッとした。
――あれ? 主役がいない。

※思考には長さが要る。第2部、ここからだ。


低コストという免罪符、QQQの構造的な欠落

ナスダック100は、名前の通りナスダック市場限定だ。これがすべての元凶になる。

結果どうなるか。
NYSEで巨大化したイーライリリーは入らない。
世界の決済を握るビザもマスターカードも、最初から排除される。

理由は簡単。「市場が違うから」。
投資効率でも将来性でもない。ただの事務処理だ。

信託報酬を数bps削るために、時代の勝者を自分から捨てる。
それを合理的だと言い張るのは、正直かなり無理がある。

私には、安売りのワゴンで「とりあえず」買い物をしている姿にしか見えなかった。

FANG+は投資ではなく、推し活に近い

次に検討したのがFANG+。
10銘柄集中。破壊力は確かにある。

だが、ここには別の匂いがした。
「執着」だ。

あらかじめ決められたスターたち。
時代が変わっても、入れ替えは鈍い。

もし彼らが老い、牙を抜かれたとき、誰が責任を取るのか。
私は企業を応援したいわけじゃない。勝ち続ける仕組みに金を置きたいだけだ。

メガ10という、情のない仕組み

そこで残ったのが、ニッセイ・S米国グロース(メガ10)だった。

やっていることは驚くほど単純だ。
全米市場から時価総額トップ10を抜き出す。
四半期ごとに、機械的に入れ替える。

情も物語もない。
落ちた者は消え、強い者だけが残る。

Appleが沈めば消える。
無名の新興企業が巨大化すれば、即座に入る。

これ以上、資本主義らしい仕組みがあるだろうか。

比較項目 QQQ(ナスダック100) メガ10(米国グロース)
対象市場 ナスダック限定 全米市場
覇者の取り逃し あり(NYSE銘柄不可) 原理的に起きない
入れ替え思想 緩やか 冷酷

コストは重要だ。だが、それだけでは足りない。
市場の都合で「勝者が排除される」船に、私は乗れなかった。
ここでようやく、私は“代謝する仕組み”に行き着く。

▶ 最終回・第3部へ続く

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